楽天イーグルスのエースとして長年チームを支えてきた則本昂大投手が、ついにメジャーリーグ挑戦を決断しました。2023年オフに海外FA権を行使し、注目されていた去就。35歳というベテランの年齢ながら、MLB球団からはなんと「メジャー契約」の提示──。これまで先発として君臨し、近年は抑えとしても活躍した実績が、海の向こうでも高く評価された結果です。
この記事では、則本投手がなぜ今メジャー挑戦を選んだのか、その背景や移籍の意味、そしてファンや球界の反応までを詳しく解説します。楽天時代の功績を振り返りながら、彼がこれから挑む新たなステージについて読み解いていきましょう。
1. はじめに:なぜ今、則本昂大のMLB挑戦が注目されているのか?
2024年オフ、長年楽天イーグルスのエースとして活躍してきた則本昂大投手が、海外FA権を行使し、アメリカ・メジャーリーグへの挑戦を表明しました。しかも、彼に提示されたのはマイナー契約ではなく、「メジャー契約」。これは日本人投手にとって非常に価値のある提案であり、野球ファンの間で大きな注目を集めています。
35歳というベテラン年齢での挑戦、これまでの成績、そして直近の抑え転向での成果──すべてがこのタイミングでの移籍のリアルさとインパクトを強調しています。
多くの若手選手がMLBを目指す中、キャリア後半に差しかかった投手が正面からメジャーに挑もうとする姿勢は異例とも言え、ファンの期待も高まっています。
1-1. 則本昂大とは誰か?楽天での実績とキャリアハイライト
則本昂大投手は、滋賀県出身で八幡商業高校、三重中京大学を経て、2012年ドラフト2位で楽天に入団しました。プロ1年目から圧倒的な投球で15勝を挙げ、新人王を獲得。最速150km後半のストレートを武器に、スライダーやフォークなどの多彩な変化球で打者を翻弄しました。
彼の実績は輝かしく、特に2014年から2018年にかけては5年連続でパ・リーグの奪三振王を獲得。また、2017年には「8試合連続2桁奪三振」というNPB記録も打ち立て、日本球界を代表するエースとして名を刻んできました。
通算では373試合に登板(うち259試合が先発)し、120勝99敗、防御率3.12、48セーブを記録。オールスターにも6度選出されるなど、その名声は長く日本プロ野球において語り継がれています。
1-2. なぜ2023年オフに海外FA権を行使したのか?
35歳という年齢でのメジャー挑戦は、簡単な決断ではありません。それでも則本投手が海外FA権を行使した背景には、いくつかの要因があります。
まずひとつは、「抑え転向」での再覚醒です。2024年シーズン、則本投手はクローザーとして起用され、自己最多となる56試合に登板。32セーブ、10ホールドという圧巻の成績を残し、再び評価を高めました。
また、これまでのキャリアを通じて、常に高いレベルでの挑戦を意識していたことも要因の一つ。年齢を重ねる中で、自らの可能性を信じてアメリカに挑戦するというのは、彼のプロとしての信念とも言えます。
加えて、近年では日本人選手のメジャー移籍が相次いでおり、環境的にも「挑戦しやすい時期」だったことが後押しとなった可能性もあります。
2. メジャー契約とは何か?:日本人投手にとっての価値と意味
MLBにおける「メジャー契約」と「マイナー契約」は、待遇やチャンスの面で大きく異なります。
メジャー契約を結んだ選手は、開幕時から40人のロースターに入ることが保証されており、基本的に一軍(メジャー)での起用を前提とした契約です。一方、マイナー契約の場合、実力を示さなければメジャーに昇格できず、キャンプやシーズン途中での昇格を目指す立場となります。
日本人投手にとって、メジャー契約を勝ち取ることは「即戦力」として評価されている証であり、非常に名誉なことです。過去にはマイナー契約から這い上がった選手もいますが、年齢的にもリスクの高い挑戦になることが多く、今回のように35歳の選手がメジャー契約を提示されるのはかなり異例です。
この契約の提示だけでも、則本投手がこれまで築いてきた信頼と実績がどれほど高く評価されているかが分かります。
2-1. 過去の日本人投手たちのMLB挑戦との比較
則本投手の挑戦を語るうえで、他の日本人投手との比較は欠かせません。たとえば、ダルビッシュ有投手は若くしてMLBへ移籍し、メジャーのエースとして活躍。大谷翔平投手は二刀流という唯一無二のスタイルで世界を驚かせました。
一方、千賀滉大投手のように日本でしっかりとしたキャリアを積み重ねてからメジャーに挑戦し、1年目から好成績を残した例もあります。則本投手はどちらかといえば千賀投手に近く、NPBでの実績を引っさげて渡米する「完成型」の選手です。
また、彼が抑えとしても結果を出している点では、過去にリリーフとして成功した上原浩治投手や藤川球児投手といった先輩たちの後に続く存在とも言えるでしょう。
3. 抑え転向で再評価:2024年の成績が契約を後押し?
2024年シーズン、則本投手は大きな転機を迎えました。それが、先発から抑えへの転向です。
新たな役割で彼は見事に適応し、リーグ最多となる54試合に登板。32セーブという数字は彼にとってもキャリア初であり、クローザーとしての才能を開花させました。さらに、自己最多の56登板という点でも、年齢を感じさせないタフさを見せつけました。
その安定感と実績は、MLB球団にとって非常に魅力的に映ったはずです。特に、救援投手はシーズン中に不足しがちなポジションであり、即戦力のベテラン投手は貴重な存在とされています。
この抑え転向の成功こそが、今回のメジャー契約提示につながったと見る専門家も多く、まさにキャリア終盤での「再評価」によって大きなチャンスを手にした形です。
3-1. MLB球団が注目した3つのポイント
では、なぜMLB球団が35歳のベテラン右腕にメジャー契約を提示したのでしょうか。その理由として、以下の3つのポイントが挙げられます。
1つ目は「経験」です。373試合登板という豊富なキャリアは、どの球団にとっても計算できる戦力です。
2つ目は「実績」。新人王から始まり、奪三振王、抑え転向後のセーブ数など、数字で証明された結果がその信頼を支えています。
3つ目は「役割適応力」。先発としての長いキャリアを持ちながら、抑えに転向して即成果を出した柔軟性は、MLBでも重宝されるポイントです。
これらの要素を兼ね備えた投手は、なかなか存在しません。だからこそ、年齢の壁を超えてまで、メジャー球団が則本投手に注目したのだと考えられます。
4. 決断の行方:則本昂大がMLBで成功する可能性は?
則本昂大投手がメジャー契約を提示されたことで、いよいよ現実味を帯びてきたMLB挑戦。その決断が注目を集めるのは、単なる移籍話ではなく、「成功するのかどうか」が多くのファンにとっての関心だからです。
まず、渡米後の起用法について考えると、想定されるのは中継ぎ、あるいはクローザーとしての起用です。則本投手は2024年シーズンから抑えに転向し、リーグ最多の54試合に登板。32セーブ、10ホールドという成績を残しています。これは、MLBでも貴重な「終盤を任せられるタイプの投手」であることを示しており、メジャー球団にとって即戦力として見られていることの裏付けでもあります。
また、球種・スタイルの面でも適性は十分にあります。最速150キロ後半のストレートに加え、スライダー、フォークなど多彩な変化球を操る投球術は、MLBの打者に対しても一定の通用性を持つと評価されています。特にフォークボールは、メジャーでは比較的珍しい球種であり、則本投手の武器として強みになる可能性が高いです。
もちろん年齢的なハンデや、アメリカ独特の移動や登板間隔、環境の変化への適応など、乗り越えるべき壁は少なくありません。しかし、これまで13年間NPBで結果を出し続け、抑えとしての成功も収めた彼であれば、その経験と対応力でメジャーの舞台でもしっかりとした役割を果たせる可能性は十分にあります。
特にブルペンの重要性が年々増しているMLBでは、ベテランの信頼できる右腕は貴重な戦力です。したがって、契約の実現次第では、シーズン開幕からクローザー候補として名を連ねることも夢ではないでしょう。
5. 楽天ファン・日本球界の反応
則本投手のメジャー挑戦に対して、楽天ファンの間ではさまざまな声が上がっています。「長年チームを支えてくれた功労者として、背中を押したい」「寂しいけれど応援したい」という前向きな意見が大半を占めており、則本投手の人柄や真摯な姿勢がファンに深く根付いていたことが伺えます。
一方で、戦力的にチームへの影響を不安視する声も一部にはあり、「抑え不在となる来季のブルペンが心配」といった現実的な課題も指摘されています。球団にとっても、主力の流出は大きな決断になりますが、それでも本人の希望を尊重し、送り出す姿勢を見せているのは好印象です。
日本球界全体で見ても、則本投手の挑戦は大きな意味を持っています。ダルビッシュ有や千賀滉大のような若いエース格のMLB移籍とは異なり、キャリア後半のベテランが改めて挑戦を選ぶ姿勢は、「プロ野球選手の新たなロールモデル」を提示するものです。
特に若い選手たちにとっては、「ベテランでも進化できる」「挑戦は何歳からでも可能だ」という価値あるメッセージになっていると言えるでしょう。
6. まとめ:35歳での新たな挑戦が示す「プロの価値」とは
則本昂大投手のメジャー挑戦は、単なる「海外移籍」ではありません。それは、13年間の実績をもとに、新たなステージに飛び込むという、キャリアにおける大きな挑戦でもあります。
35歳という年齢での決断は、常識的に見れば遅いと捉えられるかもしれません。しかし、彼は2024年に抑えとして新たな役割を開拓し、結果を残すことで再びチャンスをつかみました。この姿は、多くの人に「プロとしての価値とは何か」「年齢に縛られず可能性を追い続けることの意義」を強く印象づけるものとなっています。
また、これまで地元・楽天一筋で戦い続けてきた姿勢、ファンやチームメイトへの誠実な対応、そして最後に「自分の夢を追う」姿は、若手選手にとって非常に強い影響を与える存在でもあるでしょう。
プロ野球は結果がすべての世界です。その中で、自らの意思で新しい世界に挑む姿は、これからのスポーツ界全体にとってもポジティブなメッセージとなるはずです。
この挑戦がどのような結末を迎えるにせよ、則本昂大という投手が見せた「挑戦することの価値」は、確かに日本球界に一石を投じたと言えるでしょう。