投球フォームが「きれい」と言われる人には、どんな共通点があるのでしょうか?実は、見た目が美しいフォームは、ケガをしにくく、球速やコントロールの向上にもつながる「理にかなった動き」の集まりです。
本記事では、佐々木朗希選手やダルビッシュ有選手をはじめとするフォームが美しいプロ投手の特徴を具体的に紹介しながら、自分のフォームを整えるためのステップや練習グッズも丁寧に解説しています。
この記事を読むことで、なぜきれいなフォームを目指すべきなのか、そしてそのために何をすればよいのかがしっかりわかります。フォームを美しく整えたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
なぜ「きれいな投球フォーム」を目指すべきか?
ケガをしにくい体の使い方になる
投球フォームが「きれい」と言われる選手には、共通して体に無理がない動きが見られます。特にプロ野球選手のように長いシーズンを投げ抜く必要がある立場では、「いかにケガをせずに結果を出せるか」が極めて重要になります。
たとえば、ダルビッシュ有選手は高校時代からケガ予防のトレーニングに取り組み、今なお現役で活躍を続けています。彼のフォームは、体の軸がブレず、すべての動きが滑らか。これは、力任せではなく体の構造に合った自然な動きができている証拠です。
また、ケガをしないフォームは、下半身の力を無理なく上半身に伝える技術でもあります。大野雄大選手のように、深い沈み込みから安定した体重移動を行うことで、肘や肩にかかる負担を軽減できます。
フォームを整えることで、結果的に故障のリスクを大きく減らせる。それこそが、きれいな投球フォームを目指すべき最大の理由のひとつです。
球速やコントロールにもつながる
きれいなフォームは、ただ美しいだけでなく、球速やコントロールの安定にもつながっています。フォームが安定すると、毎回同じように体を使えるため、投げるたびにブレが少なくなり、狙ったところにボールが行きやすくなります。
たとえば、ダルビッシュ有選手の投球後の姿勢を見てみると、ほとんど体がブレていないのが分かります。これは「平均台の上に立っても崩れない」と表現されるほど軸が安定しているからです。この軸のブレなさこそが、精密なコントロールと力強い球を両立させている秘訣です。
また、有原航平選手のように「お尻を先に動かす」ことでスムーズな体重移動を実現している選手もいます。これは「ヒップファースト」と呼ばれ、球速を最大化するフォーム作りに非常に効果的です。
このように、きれいなフォームは見た目の美しさ以上に、「結果」に直結する大事な要素でもあります。
見た目の美しさ=理にかなったフォーム
「きれいなフォーム」とは、単に見栄えが良いというだけではありません。実はそこには、理にかなった身体の使い方が隠されています。だからこそ、きれいなフォームを持つ選手は、見る者を惹きつけるだけでなく、安定して結果を出すことができるのです。
たとえば、前田健太選手のフォームは、派手さはないものの非常に整っています。下半身の使い方がシンプルかつ効率的で、無駄がないのが特徴です。そのおかげで、メジャーの舞台でも安定したパフォーマンスを発揮しています。
見た目が美しいフォームは、体の動きがスムーズに連動しており、力の伝達がムダなく行われている証拠です。つまり、見た目の美しさとは、理想的な身体の使い方そのものであり、それがパフォーマンスと故障リスクの低減を両立させているのです。
右投手で「フォームがきれい」なプロ野球選手4選
佐々木朗希:足の上げ方とフィニッシュの内股が美しい
佐々木朗希選手のフォームは、まさに「きれい」のお手本のような完成度を誇ります。2022年には完全試合を達成し、最速164km/hという日本最速クラスの球速を記録。その圧倒的な能力の裏には、無駄のない洗練された投球フォームがあります。
まず注目したいのが、足の上げ方です。高く上げた右脚は、位置エネルギーを最大限に活かしており、上半身との連動性も抜群。その足は体重移動の直前に一度かかとをお尻に近づけるように引き寄せられており、これによって下半身の「タメ」が生まれます。
さらに特筆すべきは、投球後のフィニッシュ。踏み出した左足の膝が粘り強く残り、体が「内股」になることで、開きを抑えた理想的な終わり方になっています。これはコントロールや再現性にも直結する重要なポイントで、多くの指導者が参考にすべき部分です。
また、グローブの引き付け位置も独特です。一般的には胸元に引き寄せるよう指導されがちですが、佐々木選手は左腰あたりに引き付けており、その動きが全身のひねりを効率的に伝える役割を果たしています。
このように佐々木朗希選手のフォームは、見た目の美しさに加えて、理にかなった体の使い方が随所に詰まっています。これからフォームを整えたい方にとっては、ぜひ動画を何度も繰り返して観察したい選手の一人です。
ダルビッシュ有:体幹ブレゼロの軸の安定感
ダルビッシュ有選手の投球フォームは、その見た目の美しさだけでなく、「安定感の象徴」とも言える体幹の強さが特徴です。投げる前から投げ終わるまで、常に体の軸がブレることなく、まるで一本の芯が体の中心を貫いているかのような印象を与えます。
特に注目すべきは、足を高く上げた状態でもまったく軸が崩れないところです。多くの投手は足を上げる際に上半身が揺れたり、重心が左右にぶれたりしますが、ダルビッシュ選手はその動きが極めて少ない。これはまさに「平均台の上でも投げられる」と言われるほどの安定性で、球のコントロールにも大きく貢献しています。
また、ダルビッシュ選手は高校時代からケガ予防に対する意識が高く、トレーニングを通して理想的な体の使い方を身につけてきました。現在では自身のYouTubeチャンネルやSNSなどを通して、フォームの重要性やケガをしないための知識を積極的に発信しています。
ブレない軸があることで、全身の力を効率よくボールに伝えることができ、それが球速・コントロール・変化球のキレといったすべての要素を底上げしています。ピッチングで「力んでるぞ」と指摘された経験がある方にとっては、ダルビッシュ選手のフォームはまさに理想の見本です。
前田健太:力みを感じさせない下半身と全体バランス
前田健太選手のピッチングフォームは、ひとことで言えば「無駄のない美しさ」。力任せではなく、必要な筋力をしなやかに使いこなしているフォームで、見ていて非常にスムーズな印象を受けます。
とくに注目したいのが下半身の使い方です。日本人投手の多くは「沈み込み」によって下半身の力を活かすスタイルが多いですが、前田選手はそこまで深く沈み込まず、比較的フラットな動きで全身のバランスを保っています。これは「沈み込みすぎるとコントロールが乱れる」と感じている投手にとって、非常に参考になるフォームです。
加えて、投球動作の中で特定の動きに頼ることがなく、体の各部位が自然に連動しているのもポイントです。上半身と下半身のバランスがとれており、「しなやかさ」と「安定感」を兼ね備えているため、球速や変化球のキレも高いレベルで保たれています。
「無理なく長く投げ続けたい」「見ていてきれいだと感じるフォームを身につけたい」と考えている方には、前田健太選手のフォームは非常に参考になります。
有原航平:理想的な「ヒップファースト」体重移動
有原航平選手のフォームの特徴は、まさに理想的な「ヒップファースト(お尻から先に動かす)」を体現している点にあります。投球動作において、体重移動の起点が上半身ではなく「お尻」になっていることで、体全体を使ったスムーズなモーションが可能となっています。
動画などでフォームを見ると分かりますが、体重移動の際にまずお尻をしっかりとプレート側に引いてから、前方に動いていく様子が印象的です。この動作により、下半身に「タメ」が生まれ、それがボールに大きなパワーを伝える要因となっています。
また、上半身が過度に前傾したり、力みすぎたりすることもなく、全体的に非常にまとまりのあるフォームです。日本ハム時代にパ・リーグ最多勝を獲得した実績からも、その投球フォームがいかに安定していたかが分かります。
ジュニア世代など、まだ筋力が発展途上の選手にとっては、この「ヒップファースト」を早いうちに身につけることが、将来のフォーム安定につながります。体のパーツを順番に正しく使うという意味でも、有原選手のフォームはまさに「理にかなったきれいな投球フォーム」です。
左投手で「フォームがきれい」なプロ野球選手4選
左投手のフォームは、右投手とはまた違った「しなやかさ」や「バランス感覚」が求められます。特に技巧派の投手が多い傾向にあり、力任せではなく、体の連動性や柔軟性を活かした投球スタイルが魅力です。
ここでは、フォームの美しさが際立つ4人の左投手を紹介していきます。どの選手も個性がありながらも、共通して「理にかなった美しさ」を持っており、投球フォームを見直したい方にとって非常に参考になる存在です。
杉内俊哉:しなやかで無駄のないリリース
杉内俊哉選手は、球速が130km台ながらも、多くの打者から空振りを奪ってきた技巧派投手です。その秘密は、しなやかで美しいフォームにあります。体の動きに無駄がなく、まるで一本のしなる鞭のように、全身を使ってボールを投げているのが特徴です。
特に注目すべきはリリース時の動作です。肩をギリギリまで引っ張り、そこから遅れて出てくる腕とボール。この「遅れ」のタイミングが、打者のタイミングを狂わせ、結果として多くの空振りを生み出していました。また、手首を内側にひねるようなスナップの使い方も、独特でしなやかさを際立たせるポイントです。
フォームに力みがなく、かつしっかりとボールにキレを与えている。これは初心者だけでなく、経験者にとっても非常に参考になるポイントです。「速い球が投げられないから…」と悩む方こそ、杉内選手のフォームを真似ることで、新たな武器を手に入れられるかもしれません。
大野雄大:美しくダイナミックな下半身の使い方
大野雄大選手のピッチングフォームは、理想的な下半身の動きが詰まった「美しさと力強さの融合」と言えるスタイルです。特に2019年にはノーヒットノーランを達成するなど、フォームの完成度と安定感が成績にも如実に表れています。
注目すべきは、足の上げ方から投球に入るまでの一連の流れ。右足をしっかりと高く上げることで、体全体にタメを作りつつ、その姿勢が崩れることなく保たれているのが特徴です。そして、体重移動の過程で深く沈み込むように下半身を使うことで、爆発的なエネルギーをボールに伝えています。
投げ終わりでは、軸足(左投手なので右足)の裏が上を向くほど回転がしっかりと入っており、全身の力を最後まで逃がさずボールに込めていることがよく分かります。このような投球動作は一見派手には見えませんが、見る人が見れば「とても理にかなったフォーム」であることがすぐに理解できるはずです。
初心者がよく指導される「下半身の使い方」においても、大野選手のフォームはお手本そのものです。単に力強いだけでなく、動作の一つひとつがしなやかで、スムーズに繋がっているため、見た目も非常に美しいピッチングフォームとなっています。
石川雅規:肘が上がらなくてもコントロール抜群
石川雅規選手は、いわゆる「速球派」ではなく、技巧とコントロールで勝負するタイプの投手ですが、そのピッチングフォームは見る者を唸らせる美しさと実用性を兼ね備えています。特に注目したいのは、一般的な理想像と少し異なるフォームでもしっかり結果を出している点です。
多くの指導者は「肘をしっかり上げろ」と指導することが多いですが、石川選手は必ずしも高く肘を上げていません。ややスリークォーター気味のフォームで、肩や肘に無理な負担をかけずに投球しています。それでも、長年プロの世界で安定した成績を残しており、2022年時点でも現役を続けている実績があります。
この事実は、骨格や体の可動域に合ったフォームを採用することの重要性を示しています。つまり「理想の型」だけにこだわるのではなく、自分の体に合ったフォームを見つけることで、ケガのリスクを減らしながら高いパフォーマンスを発揮できるということです。
「肘が上がらない」「理想のフォームができない」と悩む方にとって、石川選手のフォームは非常に励みになる存在です。そしてなにより、ムダのない、コンパクトで洗練されたフォームは、美しいという点でも大きな魅力があります。
大関友久:ねじれ動作の美学と力の最大化
大関友久選手のフォームは、体の「ねじれ動作」を見事に活かした力強さと美しさが両立されたスタイルです。特に注目したいのは、上半身と下半身を意図的にずらして使うことで、ねじれによるパワーを最大限に引き出している点です。
たとえば、右足を上げるよりも先に上半身をグローブごとひねり始めており、そこから遅れて右脚とお尻が一緒に上がってくる流れになっています。これは、体の中で「タイムラグ」を作ることでねじれを生み、投球動作の中でバネのような反発力を得ているということです。
多くの初心者は、このねじれを「上半身と下半身を同時にひねる」ことで再現しようとしますが、それでは意味がありません。大関選手のように、下半身を50ひねったら上半身を60ひねるイメージでズラしを生むことが、真のパワー発揮に繋がるのです。
また、このねじれによってフォーム全体に柔軟性とメリハリが生まれ、見た目にも非常に美しいピッチングとなっています。動きの中に「溜め」と「爆発力」が両立しているため、フォームを分析する上では非常に学びが多い選手です。
自分のフォームを「きれい」にするための3ステップ
理想のフォームを身につけたいと思っても、いきなりプロのような動きはできません。ですが、順序立てて取り組むことで、誰でも「きれいなフォーム」に近づくことは可能です。ここでは、具体的に何をすればいいのか、3つのステップに分けてご紹介します。
お手本動画を500回見よう(佐々木・ダルビッシュなど)
まず最初のステップは、徹底的に「お手本を見る」ことです。頭でイメージできない動きは、体でも再現することはできません。そのため、まずは理想のフォームを何度も見て、目と脳に焼きつけることが非常に重要です。
佐々木朗希選手やダルビッシュ有選手など、自分が「きれいだ」と思えるフォームの投手を選び、その動画を最低500回は見るつもりで取り組んでみてください。実際にプロの投手たちも、自分の映像や他選手のフォームを繰り返し見て研究しています。
特に、動画を見るときは「足の上げ方」「体重移動のタイミング」「投げ終わりの姿勢」「グローブの位置」など、細かい部分にも注目してみましょう。フォームの美しさは、こうした細部の積み重ねで成り立っています。
そして、ただ見るだけでなく、自分のフォームと比較しながら見ることで、「何が違うのか」「どこを直せば良くなるのか」が少しずつ分かってきます。この「目で学ぶ時間」が、フォーム改善の第一歩になります。
スマホで撮って見比べる
フォームをきれいにするためには、自分の投球動作を客観的にチェックすることが不可欠です。そのために最も手軽で効果的な方法が、「スマホで撮影する」ことです。実際、プロ野球選手たちも日々のトレーニングや登板前のチェックに動画を活用しており、自分のフォームを何度も見直しています。
たとえば、佐々木朗希選手やダルビッシュ有選手のように、再現性の高い投球フォームを目指すには、まず「今の自分がどう動いているか」を知らなければなりません。スマホを使って投球フォームを撮影し、それをお手本とする選手の動画と比較することで、違いや修正点が明確になります。
撮影の際は、正面・横・後ろの3方向から撮るのが理想的です。それによって足の上げ方、体の開き、グローブの位置、リリースポイントまで細かく確認できます。また、自分のフォームのクセを知ることで、無意識にしていたミスや力みも発見しやすくなります。
動画を見返す習慣をつけることで、目と感覚がリンクし、「自分が正しく投げられているか」を自覚できるようになります。これこそが、フォームを美しく整えていく上での大きな一歩になります。
シャドウピッチングと鏡で反復練習
動画で自分のフォームを確認したあとは、体にその理想の動きを覚え込ませるための「反復練習」が重要です。その際に最適なのが「シャドウピッチング」と「鏡」を使ったトレーニングです。これらは、自宅でも気軽にできる上、フォーム改善に絶大な効果を発揮します。
シャドウピッチングでは、実際にボールを投げずに動きだけを繰り返します。これにより、力まずに正しい動作だけを集中して練習できるのがメリットです。とくに、佐々木朗希選手のような「内股フィニッシュ」や、ダルビッシュ選手の「軸の安定感」を体得するには、シャドウピッチングで細部まで意識することがカギとなります。
そして、練習中に自分の動きをその場で確認できる「鏡」があると、さらに効果が高まります。姿見サイズの鏡や、夜に窓ガラス越しに映す方法でも代用可能です。重要なのは、見ながら調整すること。フォームを直しているつもりでも、意外とズレていた…ということはよくあります。
フォームを体に染み込ませるには、「見て・動いて・確認する」というサイクルを繰り返すことが何より大切です。100回、200回、500回…と根気強く続けることで、必ずフォームは洗練されていきます。
きれいなフォームを手に入れるための練習グッズ
きれいな投球フォームを身につけるためには、ただがむしゃらに練習するだけでなく、「見て、感じて、整える」ための道具が欠かせません。ここでは、初心者から上級者までフォーム作りに役立つ練習グッズを2つご紹介します。どちらも身近で用意しやすいものですが、その効果は非常に高いです。
スマホと三脚
まず最もおすすめしたいのが、「スマホ」と「三脚」の組み合わせです。すでに紹介したとおり、フォームを確認するうえで動画撮影は必須です。とはいえ、毎回誰かに撮ってもらうのは現実的ではありません。そこで活躍するのが、固定できる三脚です。
三脚があれば、フォームの全体像を安定して撮影できます。正面、横、後ろと視点を変えて撮ることで、足の高さ、軸のブレ、体重移動のバランスなどを客観的に見直せます。しかも、手ブレがなくなることで比較も正確に行えるようになります。
特別な機材は必要ありません。スマホ用の小型三脚(1,000〜2,000円程度)で十分に機能します。毎回同じ角度・距離で撮影できるようになれば、自分の成長を見える形で確認でき、モチベーションにもつながります。
タオル(シャドウ用)
フォームを磨く上でのもう一つの便利グッズが「タオル」です。これは、ボールを使わずに投球動作を反復する「シャドウピッチング」において非常に重宝します。実際に、多くの指導者や選手も取り入れている基本練習です。
使い方は簡単で、タオルの先端を握って実際の投球動作を再現するだけです。ボールを投げないことで、体への負担を軽減しながらフォームを徹底的に確認できます。とくに初心者や、フォームの再構築を目指す人にとっては、安全かつ効果的な方法です。
また、タオルを使うことで「音」が出るため、リリースのタイミングやスピード感も体感しやすくなります。佐々木朗希選手のように、しっかりと引きつけてからリリースする感覚を身につけるには最適です。
繰り返しになりますが、シャドウピッチングは量が命です。タオル一つでいつでもどこでも練習できるので、日々の積み重ねが大きな違いを生んでくれます。
大型ミラー(理想的な全身確認)
ピッチングフォームを「きれいに」整えるためには、体の動きを目で見て確認することがとても大切です。そこでおすすめしたいのが、大型ミラーの活用です。特にシャドウピッチングと組み合わせて使うことで、自分のフォームをリアルタイムで確認でき、修正点にすぐ気づけるようになります。
動画撮影によるチェックも効果的ですが、ミラーがあればその場ですぐに「姿勢」「軸の傾き」「足の高さ」などを目視できます。たとえば、佐々木朗希選手のように足を高く上げてしっかりタメを作るフォームを再現しようとする際、鏡越しに確認することで「自分はまだ高さが足りないな」「軸がブレているな」といった気づきが得られます。
また、鏡の前での反復練習によって、頭の中で思い描く「理想のフォーム」と実際の動きのズレを小さくしていくことができます。プロの投手たちも、フォームの微調整を鏡や映像で行うことは一般的です。それだけ、自分の動きを“視覚化”することは重要なのです。
家での練習環境が限られている場合でも、夜間に窓ガラスを使って自分の動きを映す方法もあります。外を明るくして自分は室内にいることで、窓に姿を映すことができ、簡易的な鏡として活用可能です。
本格的に取り組みたい方には、スタンド付きの大型ミラー(キャスター付きで移動も簡単なタイプ)がおすすめです。フォームの安定性やきれいさを日々確認しながら磨いていける環境を作ることで、より効率よく上達を目指せます。
まとめ:フォームの「美しさ」が上達と怪我防止の鍵
投球フォームが「きれい」と感じられる理由には、しっかりとした根拠があります。それは、見た目が美しいフォームほど、身体の使い方が理にかなっており、結果としてケガのリスクが減り、球速やコントロールも向上しやすくなるからです。
たとえば、佐々木朗希選手のように足の上げ方からフィニッシュの内股まで意識されたフォームや、ダルビッシュ有選手のように体幹がブレない安定感のある軸を持ったフォームは、見た目が美しいだけでなく、ケガのしにくさやパフォーマンスの安定にもつながっています。
左投手では、杉内俊哉選手のように無駄がなくしなやかな動きや、大関友久選手のように「ねじれ動作」を最大限活かすフォームも、力強さと美しさを兼ね備えたお手本です。こうしたプロ選手のフォームには、投球動作の中に自然な流れがあり、それが美しさに直結しています。
そして、自分自身が理想のフォームに近づくためには、ただ投げるだけでなく、スマホで撮影し、お手本と比較し、タオルや鏡を使って反復するというステップが重要です。地道な積み重ねではありますが、「見て」「感じて」「修正する」ことを繰り返すことで、フォームは確実に洗練されていきます。
きれいなフォームとは、ただ人に見せるためのものではなく、自分の投球をより良くするための“土台”です。だからこそ、フォームの美しさを意識することは、野球の技術を一段階引き上げる上で、非常に意味のある取り組みだと言えるでしょう。
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